チーズの上手な使い方
放牧した動物のミルクで作るチーズは土地ならではの味に!
チーズの主原料はミルク。つまりミルクの違いでチーズの味わいが変わってきます。ミルクを提供してくれる動物(牛、山羊、羊)の、それぞれの品種の違いはもちろんのこと、その動物の育った環境でもその味の違いが現れます。
放牧が始まるのは春から夏。春先は雪どけの後の山間に、生命力の強い滋養のある”一番草”が生えます。その後も青々とした元気な草が生えそろい、花が咲き乱れる季節が続きます。
そんな自然豊かな草や花を食べながら育つ動物のミルクには、その土地の微殺菌や酵母が多く含まれています。
それらを生かして作られたチーズは風味が豊かで、独自の個性を持つので、同じチーズのなかでも、牧草チーズ(フロマージュ・アルパージュ)や夏のチーズ(フロマージュ・デテ)などと呼ばれ、珍重されます。
それぞれの時期に、一番美味しいチーズをお試しください!
ヨーグルトがチーズに変身!?
フロマージュ・ブランやクワルクなどのフレッシュチーズが、ヨーグルトとよく似ていると思ったことはありませんか?実は、牛乳1ℓからヨーグルトは約1kg作られますが、フロマージュ・ブランはたったの300gしかできません。つまり、まったくの別物で、フレッシュチーズは、それくらいミルクが凝縮されたものなのです。
フランスではチーズは食後に食べるって、本当?
伝統的なフランス料理は、必ずといっていいほど、メイン料理の後、つまりデザートの前に、チーズが提供されます。これは、チーズには、重たい食事の消化を助ける働きがあるとフランスでは考えられているから。食事からデザートへの橋渡し的な効果も兼ねています。ですから、もし、レストランで食後に「チーズはいかがですか?」と問われたら、食後なのにチーズ?とびっくりせず、ぜひ、食してみてください。
また、最近ではアペリティフ(食前酒)のときのおつまみにも、一口で食べられるサイズのチーズを楽しむことも増えてきています。また、朝食、昼食でも、食すようになり、フランスでもチーズの位置づけが変化しつつあるようです。
チーズにも旬があるって本当?
本当です。実はチーズは季節感のある食べ物。たとえば、山羊は春の訪れとともに子を産みます。その仔山羊を育てるための、貴重なミルクのおすそ分けで作られるシェーブルはとてもフレッシュ。それは春から夏にかけて味わう、おいしい旬のチーズとなります。
チーズの白いつぶつぶってカビ?
カビをまとわせて熟成させるチーズがたくさんあるのですから、チーズにカビはつきものです。とはいえ、パルメザンチーズなどに、白いつぶつぶを発見したら、ドキッとしてしまいます。でも、これは長期熟成によって生まれたうま味の結晶(グルタミン酸)です。しかし、カビという可能性もあるので、その部分を拭いてみて。それで取れるものがカビで、取れないのがグルタミン酸です。グルタミン酸ならそのままおいしくいただけます。
カビは空気に触れるところだけに生えるもの。ナチュラルチーズは乳酸菌の力で、カビを中まで浸透させないので、たとえカビが生えたとしても、その部分を切り取ってしまえば、中はおいしく食べられることがほとんどです。
カビが生える=防腐剤などの添加物が入っていないということ。だからこそ、おいしくなるチーズが数多くあるので、カビに敏感になりすぎないのも、チーズとの上手なつきあい方です。不安な場合は、購入したチーズ専門店のスタッフなどにご相談を。
チーズにおいしい温度ってあるの?
チーズを冷蔵庫から出して、すぐにぱくり。それは、とてももったいないこと。チーズは10~20℃の環境で徐々に熟成し、おいしくなっていくものです。5℃前後の冷蔵庫に入れて冷やすのは、チーズの熟成をゆるやかに止めて保存をするため。つまり、冷蔵庫から出した直後は、チーズ本来の柔らかさではなく、冷えすぎて堅い状態になってしまっています。これでは、チーズの本当のおいしさが発揮されません。
残ってしまったチーズの上手な活用法
食べきれずに残ってしまったチーズを、捨ててしまうなんて、もったいないこと。チーズによってさまざまな利用法があるので、ぜひ、参考にして。外側にカビが生えても、カビ部分をすべて取り除けば食べられますが、雑味を感じるようなら、あきらめましょう。
種類 活用法
もらったチーズ、苦手な味だったのですが、どうすればいい?
チーズが大好きでも、個性が強かったり、熟成の状態が好みではなかったりして、おいしく食べられないということも、たまにはあるもの。とくにブルーチーズの苦みや塩っぽさは、どうも苦手という人は多いようです。そのまま食べてあまり好みでなかったなら、まず試してほしいのが、同量のバター(できれば無塩)と混ぜ合わせてみること。バターのコクや甘みで、ブルーチーズの個性が中和されるので、これをパンに塗ったり、ゆでじゃがいもに添えたりしておいしくいただけるようになります。
また、ブルーチーズをかるくくずして生クリームといっしょに火にかければ、万能ソースに。ペンネなどのショートパスタや、温野菜などにかけると、レストランにも負けない一品に。
レーズンなどのドライフルーツを添えたり、はちみつをかけたりすると、デザート感覚で食べられます。せっかくのチーズ、苦手だからとあきらめず、小さなひと工夫で、大好きな味へと変身させて。
硬くなったチーズはもう食べられない?
ナチュラルチーズの約半分は水分。きちんと保存していても日がたつにつれ、水分が抜けて堅くなってきます。また、水分が抜けて熟成が進むと塩分が濃くなったと感じることも。だからといって堅くなったチーズを捨ててしまうのはもったいないこと。キュッと引き締まったチーズには、グルタミン酸と呼ばれる、うまみ成分がぎっしり!







